Quadrifolium's blog

海外赴任サラリーマンの独り言です。

The story behind the world's most famous photograph - CNN Style

この写真に見覚えはあるだろうか。

1984年にパキスタンのアフガン難民キャンプで撮られた写真である。雑誌National Geographicの表紙を飾り,世界的に有名になった。

この少女は当時12歳だったが,写真にはあどけなさなどかけらもなく,見る側をひるませるような眼光の鋭さには驚かされる。

彼女はその後,波乱万丈の人生を送ったようだ。いったんはアフガンに帰ったようだが,その後はパキスタンに渡り暮らしていた。2016年に身分証の偽造の罪で逮捕され,重い刑に問われかけたが,アフガン政府の取り計らいで家族とともに母国へ送還された。明らかに有名人としての特別待遇と思われる。

しかしアフガニスタンは今年の8月,タリバンの手に落ちてしまい,女性の人権侵害が進んでいることから,この女性は亡命を希望した。NPOやこの写真を撮ったアメリカ人写真家の援助などによって,このたびイタリアへの亡命が認められ,無事ローマに到着したそうだ。現在49歳。

'Afghan Girl' Escapes Taliban, Evacuated to Italy | PetaPixel

ノーベル平和賞を受賞したパキスタン人のマララさんもそうであるが,ときどきこういう「迫害されている人」が世界的に突然有名になることがある。そういう人は往々にして欧米の介入によって特別待遇で国を脱出するのであるが,報道が過熱する割には結局元の国の問題は何一つ解決せずに終わるように思われる。人権侵害へのアクションをアメリカやイギリスが主張してもロシアと中国が反対するので国連は昔から何もできない。

それにしても,私は20年前から思っているのだが,日本では海外情勢の報道があまりにも少ない。特に中東の報道は少ない,というかほぼゼロだし,中国のウイグルの虐殺も全く報道されていないような気がする。日本人は本当に海外情勢に興味がない。

ロシアとウクライナが軍事演習、緊張高まる | Reuters

によると,現在ロシアがウクライナ国境に兵を集めており,軍事的緊張が高まっている。天然ガスのパイプラインがロシアからウクライナを通って来ているのでヨーロッパにとっても無関係な話ではない。しかしこれも多分日本ではテレビは取り上げないのであろう。そのかわりジャニーズとか政治家の汚い金の話とか不倫の話ばかり報道しているのであろう。

イスラエルによるガザ地区パレスチナ難民の人権侵害も相変わらずひどい状態だ。イスラエルは表向きは議会制民主主義の国である。民主主義こそが平和の礎,という主張も聞かれるが,民主国家も人権蹂躙を行うことはイスラエルの例から明らかである。イスラエルは「ユダヤ人のための国」という民族主義を「すべての国民に平等な権利を与える」という民主主義の原理よりも優先しているのである。

【イスラエル政治】「ユダヤ人国家」の二律背反(ディレンマ):相克する民族主義と民主主義<sup>1</sup> (jst.go.jp)

しかしイスラエルに強く物を言える国はない。アメリカはユダヤ人の莫大な寄付とユダヤ政治団体の協力なロビー活動に強く政治的影響を受けており,とてもイスラエルを制御できるような状態ではない。(ユダヤ系というのはアメリカでは断トツで最も裕福な民族グループである。)

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それにアメリカが「不当な占領はやめてパレスチナ人に彼らの土地を返せ」と言ったとしても「じゃあネイティブアメリカンから土地を奪ったアメリカ人は土地を返さなくていいのはなぜか?」と反論されてしまうので,結局何も言えない。

イスラエルは国外から批判されるとすぐに「反ユダヤ主義だ。ナチスと同じ人権侵害だ」と主張するので欧米は何も言えなくなってしまう。実際には反ユダヤ主義ではなく,イスラエル政府に対する批判なのは明らかなのだが,意図的に論点をすりかえることで批判から逃れている。ナチスの最大の罪は誰にも批判できないイスラエルという国家を誕生させてしまったことだとまで言う人もいる。アメリカ国内の良心的なユダヤ人は,ツイッター等でもイスラエル批判を繰り返していたりするのだが,実際,堂々とイスラエルを批判できるのはユダヤ系だけ,みたいな異常な状況になっている。

私が個人的に知っているイスラエル人も性格が悪かった・・・。「我々には3000年以上の歴史がある。ローマの遺跡なんて我々にとっては価値はない」みたいに言っていたし。私の知人は海外の研究者数人と共同研究したとき,その中のイスラエル人研究者があまりに傍若無人なのでノイローゼになりかけたそうだ。論文自体は完成したが「もう二度とあいつとは一緒に研究しない」と言っていた。

民族主義というものが存在する限り,世界から戦争はなくならない。これは理屈ではないので,お金のやりとりで解決することは不可能だ。日本と韓国は遺伝子レベルではほとんど同一と思われるが,それでも対立しているように,当事者にとってはわずかな文化的違いであっても許せないものだ。

IQが低い子どもは、大人になって人種差別やヘイトスピーチへ向かう!? (2015年9月19日) - エキサイトニュース (excite.co.jp)

に引用されている研究によると,IQが低い子供は大人になると人種差別や同性愛者差別に走る傾向が高いそうだ。IQテストを受けたことのある人はわかると思うが,IQテストには「キーワードをいくつが挙げるのでそれらの共通点を指摘して下さい。」という設問がある。一見した違いにとらわれず本質的な要素を見出すのには知性が必要である。それができない人間が差別主義者になりやすいというのは意外でも何でもないと私は思う。

知性というものは常に広がった分布を形成するものだ。IQが低い人の割合というのは生物学的に決まっているので変えることは難しい。あとは教育で何とかするしかない。ただ,最新の情報というのは教科書ではなくメディアから入ってくるので,メディアが伝える情報のクオリティが上がらないと国民の民度も上がらない。現状のメディアの姿勢を見る限りでは,日本,そして世界の未来は暗いように思う。