Quadrifolium's blog

元海外赴任サラリーマンの独り言です。

肺炎とのたたかい

しばらく更新が途絶えてしまった。

実は2週間弱,入院していた。

11月に外をランニングしてから喉の奥に違和感があり,そこから4日くらいで急激に悪化した。普通の肺炎はもっと日数をかけて咳が増えたりして悪化するらしいので今回は非典型的な経過だったようだ。のどの痛みはないが,とにかく咳が止まらないせいで夜はまったく眠れず,熱も38℃~39℃をずっとキープしていて,血尿まで出た。いつも行く耳鼻咽喉科に行ってコロナとインフルの検査をしたが,どちらも陰性で,診断名はハッキリ教えてもらえず。これほどつらい症状なのに,医者は「声帯はあまり腫れてないからすぐ治ると思いますよ~~」など言いながら喉の奥と鼻の中をのぞいて熱を下げる薬を出しただけ。抗生物質すら処方されなかった。*1教訓として,喉の奥が息苦しいときは耳鼻咽喉科なんて行かずに最初から設備の整った内科に行った方がいい。耳と鼻の異常のときだけは耳鼻咽喉科でもいいだろうが。*2自分では診断がつかないとき,他院を受診するように勧めるのが誠実さだと思うのだが,それを邪魔するのは医者のプライドであろうか。

 

12月になって総合病院の内科を受診し,レントゲンとCTスキャンをとったところ両肺にひどい肺炎があるという診断で,すぐ入院。抗生物質を3種類投与して点滴も朝晩に打ち,あとはずっと寝ている状態。個室だったのでまずまず落ち着いて過ごせた。しかし点滴のための抹消静脈カテーテルが左腕にずっと入っていたので,腕をほぼ使えない状態で,とても不便だった。読書するにも片手だと不便だしパソコンにキーボード入力しようとしても片手では無理。

そして部屋の蛇口から温水が出ないので困った。家族に電気ケトルを持ってきてもらい,病室で湯をわかして洗面器に入れ,右手だけで何とか髪を洗うことはできた。これだけでもスッキリ感がすごい。

体を洗うためにシャワーを浴びたいと言うと,看護師さんがカテーテルのあたりをビニールでぐるっと巻いて防水保護してくれるので,短時間さっと体と髪を洗えた。これは4,5日に1回くらいで十分かなと思った。

抗生物質が効き始めるのに3日くらいはかかる,と医者は言っていたが,実際その通りだった。入院して5,6日くらいで咳が治まってきて,夜まずまず眠れるようになったのが大きかった。

 

同じ病棟に入院しているのは高齢の人が多かった。たまに30代くらいの若い人も見かけたが,すぐ退院していった。高齢の重症の人はナースステーションの目の前の病室に入れられていて,夜中に急変するとすぐ看護師が「大丈夫ですか?」ととんでいけるようになっていた。看護師というのはキツい仕事だなというのをしみじみ感じた。ちょっとボケているような患者にも応対してあげないといけないし,夜勤のせいで生活リズムが乱れるし。まあ病床のないクリニックに勤務しているような看護師はまだ楽だろうけど,総合病院の看護師は本当に大変だ。。

 

会社の方には入院してすぐに連絡し,プロジェクトから外してもらった。その後,退院のときに医者から診断書を発行してもらい,それを書留で会社に提出して産業医に内容を確認してもらった。

 

入院(私傷病による休職)期間が一か月に満たず短い,ということで今月の給与への影響は小さいとのことで,わが社の福利厚生に対して感謝した。普段は福利厚生のことなんて全く考えてこなかったが,辞める間際の時期になっていざというときの福利厚生の有難さを実感することになるとは思わなかった。

 

入院中,それなりに仕事関係の本は読んだが,あまり書き物はできなかったので,来年度の準備という点ではやるべき作業が進んでおらず予断を許さない状況だ・・。ふぅ。

 

体をきたえるという意味ではランニングはいいと思うし,今までもやってきたけど,真冬に外をいきなり走るのは失敗だった。今後は走るとしてもジムの屋内だけにするか,あるいは外をゆったり散歩するか,そのあたりは慎重に考えていきたい。

 

病室では時間があるのでひたすらテレビを見ていたが,政治家の裏金問題と大谷のドジャースへの移籍ニュースとイスラエルの戦争ニュース,あとはしょうもないバラエティばかりで,見たいものがなくて閉口した。大谷が一千億円ももらうのはすごいし,彼は並外れた選手だとは思うが,彼よりもそのへんの病院の看護師や理学療法士作業療法士等の方がずっと人類に貢献していると思う。大谷がバットを振ったりボールを高速で投げたりするのがいくらうまいと言っても,そんなものは機械で超簡単に代わりを務めることができるわけだが,一方,病人や高齢者のケアというのはこれからAIがいくら進歩しても絶対に機械化できない領域なので,やっぱりそういう仕事をやっている人こそたくさん給料をもらうべきだと私は思うが,いかがだろうか。

 

医療職(医者除く)・介護職以外にも経済的にあまり報われない仕事というのはたくさんある。例えば公安警察というのは外国のスパイと疑わしき外交官を尾行したり国内の過激派のアジトを毎日私服で監視したりしているわけで,国の安全保障上極めて重要性が高い仕事であるが,結局は公務員なので年収は一千万にもいかないくらいらしい。これでいいのかなぁ,と不安である。日本の機密を守るような仕事の方がどう考えてもそのへんの外資経営コンサルタントより社会に貢献していると思うのだが,収入はそれを反映していない。。。

*1:あそこはやぶだと今は確信している。もう今後行くことはないだろう。

*2:もちろん内科の病院にも籔医者は普通にいるので,ネットの各種口コミを見るなどして自衛するしかない。専門医の資格をとっている人はある程度は信頼できるが,その医者が自分の専門外の症例にどう対応するかは結局は未知数である。こちらからの質問に対して1つ1つ丁寧に目を見て答えてくれる医者は大体は実力がある人が多い気がする。質問に対して「まあ概ねこういうケースは問題ないと思いますよ~」のように目を逸らしてあいまいな言葉で済まそうとする人は危険である。