Quadrifolium's blog

元海外赴任サラリーマンの独り言です。

移り変わり

正月から暗いニュースが多い。

イスラエルのガザにおける人権侵害行為の数々は報道を見るたびにうんざりする。アメリカをはじめ欧州各国はイスラエルに対して抗議もしない。そしてSNSではイスラエルを批判するようなコメントが運営側にどんどん削除されているというし。もうダメだ。イスラエルに比べると北朝鮮の方がまだましだ。実際に殺害された人間の数でいうと,だが。

これは実に興味深い話だ。2国を比較すると「民主主義の国において,国民が残虐な為政者を選挙で強く支持しており,悲惨な殺戮行為がいつまでも続く」vs「独裁国家において,血筋だけで選ばれた独裁者が,他国を武力で威嚇しつつも実力行使はしていない」という状況なわけだ。私には,後者の方がまだましに見える。*1

そもそも論だが,民主主義において「国民の過半数が狂っている場合」には何もブレーキがないんだな。

 

今の職場での退職手続きは亀のようにゆっくりとだが進みつつあり,もう引き継ぎをしたようなものなので,自分が手を動かす仕事が減ってきた。

新天地での新しい住居探し,引っ越しの手配,今の物件の管理会社への解約連絡,粗大ごみの処分の手配,などなど,やることが無限にあり,また次の仕事の準備も大変忙しい。

今回は異業種への転職であり,未経験ではないが経験が乏しいので,準備にあたふたしているのが情けない。過去にも異業種への転職は経験済みであるが,職場環境というのはどこもばらばらであり,カルチャーも違うので,過去の経験が役に立つようであまり役に立たない・・・。

 

ふりかえると去年の5月からほとんど研究論文を読めていない。新しい知識を体系的に頭に入れることができておらず,忸怩たる思いだ。読みたい教科書や論文も,聞きたいオンラインレクチャーも,それこそ山のようにあるのだが。なかなか・・・時間が・・・。今年は社内根回しやらブラックな仕事関係者のご機嫌取りのための資料作成やら,非常に中身がない,知性の必要ない仕事ばかりをやらされたような気がする。うーん。大企業は何か新しいことを始めようとしたときの稟議や決裁のステップがあまりにも多すぎるし,遅すぎる。社内の会話を要約すると

開発者側:「かくかくしかじかで,こういった製品・サービスを作りたいので,予算をください。」

ビジネス側:「本当に売れるものだという証拠はあるのか?適当なアイデアを言ってるだけじゃないだろうな。もしお前のサービスに対してお金を出してもいいと言ってくれる顧客をそれなりの数集めてこれたら,『これは儲かる確率が高いから予算出してもいい』とうちで認めてやってもいいぞ。」

開発者側:「顧客をひきつけるにはまず動くものを作らないといけないので,,,そのための予算がまず必要なのですが・・・」

ビジネス側:「知らん。そこは研究開発側で予算をひねりだせ。自分で考えろ。」

となってしまって埒があかない。こうして見ると本当に落語みたいなやりとりだ・・・。

*1:もっとも,裏では北朝鮮はロシアにミサイルを売っているのかもしれず,それは間接的にウクライナでの殺戮に関与したことになるので,簡単には情勢を判断できないのが悩ましいところだ。