Quadrifolium's blog

元海外赴任サラリーマンの独り言です。

ムムム無夢夢

 

なかなか明るい記事を書くに書けないので3月に撮った桜の写真を置いておく。

 

アメリカ赴任中の思い出を振り返ってみてもほとんど頭に浮かんで来ず,ただ家とオフィスを往復していた記憶しかなくて絶望した。自分の人生って何なのだろう・・・。

 

今の会社に入る前は,1年間の思い出というと例えば○○さんと共著を頑張って書いたな~とか,○○学会にはるばる△△まで出張して参加して色々な研究者に会って挨拶したな~顔が広がったな~とか,思い出は毎年それなりにあったのだが,会社というのは本当に閉鎖的な環境にずっといるだけなので「興味深い人物との新しい出会い」というのが乏しい。「情熱」をもっている人間というのは全然いない。

 

新しく出会う人自体は,アメリカ赴任時も今の部署でもそれなりにいるけど,「同じ分野に興味をもって勉強・研究している」という共通項がある研究者同士の「ウマが合う」出会いとは大きく異なり,会社は基本的に「お金のために仕方なくオフィスに来ている人」ばかりなので,会話してもお互い何も得るものがなく,何も起きない。相手の個性に対して興味がない人間同士だから会話も発展しない。組織での仕事というのは本質的には責任の押し付けあいなので,友好的感情自体,職場では発生しない。

 

会社はそれなりに社員の意見を聞くポーズをとるのは大事だと思っているらしく,上司とか上司の上司とか人材管理部署の人などと面談をする機会はある。あるにはあるが,そういう人に対して同僚の悪口とか批判もあまり言えないし,「あの人は自分のこだわりが強すぎて一緒に仕事するのがしんどいです!」と仮に言っても「まぁまぁそう言わずに今年度いっぱいは頼むよ」ってことになるだけであろう。会社の多すぎる異動に文句を述べたところで彼らにはそれをどうこうする権限などないし。結局は会話に時間を使ったなあという疲労感だけが残り何も変わらない。今日もそういう面談があり,本音と建て前のバランスをとりながら話す作業に精神的に疲れてしまった。

 

私は自分の内面を話すのが好きではないのである。なぜなら私の考えを理解できる人間が少ないし,わかるように説明するのも疲れるし,ストレスの原因を思い出すだけでもまた新たなストレスになるし,仮に理解してもらえたとしてもお互い何もできないからである。「まぁまぁ,もっと辛い立場の人もいるから」みたいな会話になりがちであるが,そういう会話は本当にしょうもないと思う。そりゃあ末期がんの患者さんに比べれば大抵の人は幸せと言わざるを得ない。だから何なのか。

 

内面を「書く」のもそんなに好きでもないが,このブログは私の生存確認みたいなものであるし,いずれ誰かふらりと立ち寄って内容を読んで理解してくれるかも,という淡い期待を抱くことができる。会話は目の前の人にしか伝わらないのでその違いは大きい。

 

社内ミーティングがどんどん増えていく。今年は組織編成が変化したこともあり,「お互いの仕事をよりよく知るために」といって新たなミーティングがこれから毎週開催されるらしい。それとは別の方面からも新たな情報共有ミーティングを設定するという話が来ており,もう本当に仕事をする暇もないくらい「情報共有」ミーティングばっかりだ。

 

そういうのは社内なんだから適度に手を抜けばいいじゃん?と普通は思うものだが,私の会社で新卒からずっといる生え抜きの人たちは必死でパワーポイント資料を磨き上げており,それを見ていると「哀れさ」とか憐憫の情すら感じる。オブジェクトのカラーとか,図の枠線の太さとか,図が重なっているところの透明度の調整とか,テキストのフォントサイズとか,そういったところを調整するのに何時間もかけている。もう一度言うが社外との打ち合わせではなく社内オンリーの打ち合わせである。

 

私がそういうところを適当にやってちゃちゃっとパワポを作ると,そういう生え抜きの,社歴が長い人たちは怒るのである。「私が修正する!」と言うので,じゃあよろしく,とお任せすると,もう本当に私の最初のバージョンが跡形も残っていないくらい美しく全てのページが修正されている。感心するが,「この人たちって何かの精神的病気ではないのか?」と心配になる。わが社の社員を医師が全員診察したら,かなりの人数が強迫性障害と診断されるであろうと私は確信している。

 

新卒からずっと日本の大企業で働くと,人間として重要な何かを失うのではなかろうか。前にも同じようなことを何度もこのブログで書いた気がするけど。

 

ところで東京でまた暮らし始めて2か月くらいだが,白杖を持った盲人を駅やその周辺でよく見る。もう7,8回くらいは見た気がする。付き添いなしのことがほとんどで,歩くのが大変そうで気の毒になる。同じ人ばかり見かけるわけではなく,大体違う人たちだと思う。車いすの身障者も,それほどではないが割と見かける。

アメリカで住んでいた地域では,スターバックス車いすの客を2回くらい見たが,それ以外にはいわゆる身障者をほとんど見なかった。地域の問題かもしれないが。それに日本の歩道に必ずある点字ブロックアメリカの道では全く目にしなかった。

東京はいろいろな人がいるなと改めて思った次第。

 

気分転換のために読もうと思った本が4冊くらい積んであるが,仕事に必要な知識を仕入れるために最近3冊ほど仕事関係の本を読んだところなので,疲れて家で読書する気力もない。とりあえず自炊はしている。魚焼きグリル用シートは本当に便利。グリルが油で汚れにくいので洗い物が楽。こういうの考えた人は天才だと思う。

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