日本人はアメリカに来て働きだすと徐々に現地の文化の影響を受けていく。最初は面倒見がいいというか,融通がきく(気がきく)感じなのであるが,アメリカ滞在が長くなるにつれてドライになってくる。気がきかなくなってくる。何かお願いのメールをしても「それは私の担当じゃないんで私に送らないでください」みたいな塩対応になってくる。。。と同時に,英語がうまくなってくる。人の話を最後まで聞かず,自分の言いたいことをばーーーっとしゃべるという,アメリカ人みたいなことをするようになる。アメリカで数年以上仕事をしているような人は,英語が早口で,ドライで,「自分のことは自分でやれ」みたいな態度が多い気がする。
で,興味深いことに,そういう人であっても,日本に帰国すると徐々に軟化して,元のソフトな感じに戻っていく。丸くなる。メールに「いつもお世話になっております。」とか「お忙しいところ恐縮ですが」などと再び書き始める。このあたりは実に興味深い。文化とは何なのだろうか。私が思うに,日本人というのは別に根っから優しい人種ではないのである。ただ,周りの空気の圧を感じて,ソフトな感じに振る舞っているだけである。海外に来るとその縛りから解放されるので,元の素がだいぶ出てくるように思う。
40歳を過ぎているような人は,アメリカに来ても自分のキャラクターはほぼ変わらないようであるが,若い人であればあるほど上記のような経時的変化が顕著な気がする。良くも悪くも柔軟なのだろう。
日本はよく言えば気がきくし面倒見がいい文化と言えなくもないが,本質的ではないところに神経質すぎて,そのせいで世界のスピードに置いて行かれているような気がする。たとえば漢字の書き順というのがある。これを南米の人に説明したら「はあ!?そんなの何の意味があるの?書いちゃえば一緒じゃん!好きに書けばよくない?(爆笑)」みたいな反応だった。。。でも彼女が言いたいこともわかる。
アメリカでは髪の毛の前側だけがピンク色で,それ以外の部分は明るいブルー,みたいなぶっとんだヘアスタイルの人でも普通にスーパーで店員をしていたりする。それでも何の問題も起きていない。一方で日本の学校では校則ががちがちで,髪の色や髪型,靴の色に「華美でない」という制限がつくなど,何のためにあるのはよくわからないルールがたくさんある。そして,ルールが多いわりに,日本の学校というのはいじめの温床である。どうもよくわからない。優秀な子供の飛び級は,いつまで経っても日本では実現する気配がないし。横並び意識が強すぎてもうだめかなという気がする。
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最近,アメリカ式の採用面談というものについて知る機会があった。日本とはいろいろな意味でだいぶ違うようだ。日本で新卒の子を採用する面接だと「どうしてわが社を志望したのですか?」「他はどこを受けていますか?」「学生時代に頑張ったことは何ですか?」「印象的なエピソードを教えてください」みたいな,ふわっとした質問が多く,具体的にその人は会社のために何ができるのかという話があまり出てこない。なので,プログラミングを一度もやったことがない大学生にIT系の会社から内定が出るとかいう,摩訶不思議なことが起こる。
そういうのはアメリカではありえないようだ。そもそもこっちの学生は大学での成績がGPAという4.0以下の数値で表され,それを履歴書に書くので,どのくらい勉強を頑張っているかは一瞬で面接官にわかる。
アメリカの大学の成績評価 | junglecity.com
日本でもこういう統一的な数値評価を導入すればいいのに,と思う。
で,どういうスキルを今持っているかが詳しく質問される。「今は〇〇はできないのですが,入社してから頑張ります!」といった返事の仕方が無意味なわけではなく,一応それも歓迎はされるのだが,やはり「今」何ができるのか,大学(院)で何をやってきたのかが一番に重視されるようだ。プログラミングをやってない学生なんてそもそも書類選考のレベルで弾かれる。「わが社に入りたいというモチベーションを教えてください」みたいなふわっとした質問は,されないか,されても大して重視されない。そもそも,こちらの質問に対する受け答えを見ていれば真剣さがあるかどうかはすぐわかるので,聞くまでもない。
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藤井聡太が渡辺明二冠に4連勝し,19歳という若さで五冠になったというニュースをこちらでも見ていた。というか,4局目が終わった直後の二人の感想戦をリアルタイムで毎日新聞のウェブサイトで途中まで見ていた。やたら長いし,二人の会話が周りの人間にはほぼわからない,でも大勢が二人を取り囲んで見守っており,場に独特の緊張感が満ちているという,不思議な状況であった。
この話題やオリンピックの平野歩夢の金メダルのニュースがどうして爽やかでupliftingかというと,しがらみではなく実力での成功だからだ。世の中には政治も芸能も親のコネで上にいく人間が多く,実力ではない顔採用も多く,オリンピックですらドーピングがはびこっており,客観的でごまかしのない勝負というのは本当に少ない。もし藤井聡太がどこかの大物政治家の息子で,その親が日本将棋連盟に多額の寄付をしており,それを日本将棋連盟が忖度して「対局時は藤井の相手は飛車落ちまたは角落ちが義務」などという特別ルールができていたとしたら,今回の五冠を祝う人がいったいどこにいるだろうか??いるわけがない。ただの茶番であることは皆の目に明らかだからだ。もし「挑戦者がタイトルホルダーより若いときは,4連勝しないよう気を使って最低1勝は相手に勝たせること」といったルールが将棋界にあったら,将棋ファンは今ほどいるだろうか??いるわけがない。
もちろん,藤井聡太は高額なPCを使ってAIソフトで将棋の研究をしているようだし,平野歩夢のような若いスポーツ選手の育成には多額の出費が必要だから,どちらのケースも経済的にゆとりのある家庭環境からの恩恵を受けていること自体はたぶん疑いがない。それでも勝負自体は公開されていて忖度が入らない環境になっているので安心して見ていられるのだ。
某皇族の跡取り息子が,最近,関東の偏差値が高い某高校に臨時の特別進学制度をつかって合格したというニュースを聞いた。つまりは裏入学である。そういう人物を国民が敬愛するわけがないということを,宮内庁や皇室会議の面々は理解できていないか,もしくは理解していてもその跡取り息子の両親(とくに母親の方)を止められないか,のどちらかであろう。
アメリカでもハーバードのような有名私大は寄付額の大きさ次第で富豪の子供をぽんぽん入学させていることは周知の事実であるが,そういうリッチな人たちは自分たちの事業基盤があるのであって,普段から国民の税金で生活しているわけではない。それにアメリカでも富豪の慈善事業への寄付は大きなニュースになるので,やはりモラルというのは見られている。dignityというものが何か,皇族の某一家にはよくよく考えてもらいたい(でも無理なんだろうな)。
トヨタの社長の長男は,まだ32歳であるにも関わらずトヨタのグループ企業のウーブン・アルファで代表取締役をしており,将来のトヨタ社長であることはまず確実だ。最近の記事
ここにきて、トヨタの「劣化」がはじまった…!「エース社員」退社のウラで起こっていること(井上 久男) | マネー現代 | 講談社(1/4) (ismedia.jp)
によるとトヨタ内部ではその息子の面倒を一生懸命見た人が出世するなど,だいぶ露骨な情実人事が横行しているようだ。こういう会社は本当に私は大嫌いである。
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タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)の世界大学ランキングの調査とかいうメールが突然来た。なんかの詐欺かと思ったけど,一応本当にあの世界の大学ランキングとかを作成している団体っぽい。アンケート形式での回答をするように書いてあり,「あなたの専門分野において,世界で (任意の順で,どの国からでも) あなたが最も優れた研究を行っていると考える機関を15機関まで選択してください 。」といった設問が並んでいて,きちんと回答するのは結構,時間がかかった。
こんなん回答しても,どうせ例年のように上位は英語圏の大学ばかりになるんだろうけど・・。