Quadrifolium's blog

元海外赴任サラリーマンの独り言です。

若手

自分より一回りも年下の同僚たちのお手伝いというか指導みたいなことをしている。一人はこっち(アメリカ)の人,もう一人は日本の人。どっちもがっつりマンツーマンで指導するというほど私の責任が重いわけではなくて,軽く相談にのっている程度だが。

何をすればいいのか迷っているので,研究者としての自分のアイデアを話して,それを一緒にやってみるようにと話してみたりもするのだが,あまり伝わらない。若手ってのは,自分の得意分野のことにはむちゃくちゃ詳しいんだけど,ちょっとそこを外れると全然ものを知らないんだよな。偏りが激しい(年とった人でもそういう人はいるけど)。例えて言うと,ラーメンを知らなかった人に,いきなり「豚骨スープの風味を引き立たせる方法を研究しないか?」と言っても伝わらないよねーという感じ。そもそも味噌ラーメンも豚骨ラーメンも長崎ちゃんぽんも全部「らーめん」という一つの食べ物に見えている人に,もっと細かい話をしても想像力がまったくついていかないのである。

知的好奇心というのは教えようとして教えられるものではない。大学で非常勤講師をしていたときも,文系の学生なのに理系の話題にぐいぐい食いついてくれる人たちがいる一方で,就活とバイトと彼氏/彼女にしか興味ない連中もいた。いろいろな物事に興味を持つ力というのはたぶん先天的なものが大きくて,それがベースとなって専門的な知識も根付きやすくなるのだと思う。私が子供のころ,化学の本を見て,世の中全部が分子でできていると聞いたときは,水なんてどこからどう見てもつながったなめらかな一つのモノなのにこれが無数のH2O分子でできてるのか・・・!!とすごい衝撃だったが,きっと同じことを聞いても特に何も感じない人の方が世の中のマジョリティなのであろう。