Quadrifolium's blog

元海外赴任サラリーマンの独り言です。

暑くなってきた

最近とても気になった記事。

 

www.technologyreview.jp

英語版:AI is making inequality worse | MIT Technology Review

 

AIには「人間ができることを単に代替し自動化する機能」と「人間の能力を強化し,生産性を向上させ,新しい雇用機会を生み出す機能」があるが,近年の産業界はコストカットのためにひたすら前者,つまり自動化(オートメーション)ばかりを追求しており,そのせいで数多くの労働者が仕事を奪われている一方で,サンフランシスコやシアトルなどごく一部の都市のテック企業は利潤を最大化させているため,結果的に社会の経済的不平等が拡張され固定化されつつある・・・・という内容。

こういう見方は突然出てきたわけではなく,以前からあり,「ハイテクITによる個人の雇用機会の喪失を防ぐためハイテクに反対する運動」のことをネオ・ラッダイト運動と呼ぶらしい。

 

ja.wikipedia.org

 

私は一介のヒラ社員としてAIの研究開発に携わる中で,AIをいくら改良しても世の中が良くなっていくように見えないことにモヤモヤとした違和感を感じていたが,上のMITレビューの記事を読んで自分のモヤモヤが言語化されてとてもすっきりした。

昔はいろいろと高度な専門知識なしでもできる仕事というものがあった。例えばコピー機がなかったころは,文書をひたすら書き写す仕事というのがあった。クラシックの有名な音楽家がアルバイトのために楽譜を書き写してお金を稼いでいたという逸話も残っている。今ではもちろんそんな仕事はない。しかし,そういう忍耐力さえあればできる単純な仕事がたくさんある方が社会の受け皿としてはより好ましいのではなかろうか。

私はあまり大きな声では言えないがアンチ・ハイテクである。それでもハイテクの研究でお賃金をもらっているので何かよくわからない感じである。やせたソクラテスより太った豚になりたいのである。

うどん

昨日の晩御飯はうどん。

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冷凍野菜の都会的で爽やかな風味とうどんの素朴で野性的な喉ごしがマリアージュし,通をも唸らせるモダンでアバンギャルドな味わいに仕上がっている。

 

昨年度は日本よりのやり方を私が主張した結果,こちらのマネージャーと微妙な空気になったので,今年度は何も言わず,ただこちらのやり方に従おう,,,と思い,米国側のマネージャーに言われたことだけやっていた。が,今度は日本側のマネージャーから「その仕事はちょっと・・・」と横やりが。そんなこと言われても,私はただ米国側のやり方に従っているだけなんですけど・・・。

米国に来てからこういう日本とのすれ違いの処理みたいなのばっかりだ。海外赴任するとビジネスマンとして大きく成長できるとか言っているウェブサイトは山ほどあるけど,嘘じゃね?と思う。他の駐在員はどんな価値ある経験を海外で積んでいるのだろうか?私にはわからない世界だ・・・。

 

 

US note

財布に入った20ドル札を見ていて,ふとサインが入っているのに気がついた。いくつかの20ドル札で見比べるとサインが違っているので,誰かが手書きのいたずらをしたのかなと最初思ったが,よくよく調べるとちゃんとしたサインだということがわかった。

20 American Dollars banknote - Exchange yours for cash today

紙幣にはこのように左下にアメリカ合衆国の財務官の署名が,右下には財務長官の署名が入っている。そのときどきで財務官と財務長官は変わるので,札ごとにサインが違うことも起こりうる。

こうした役職に就いた人は,紙幣に印刷されるサインを造幣局に提出する前に頑張って練習をするそうである。以前,ルー財務長官という,とてもサインがへたな人がいたらしい

上の署名の,一番上のやつなんてただの落書きにしか見えない。オバマ大統領らにからかわれていたそうで,練習した結果,徐々にうまく(?)なったようだ。

なお20ドル札の肖像は遠くない未来にタブマンという黒人女性(奴隷解放に尽力した)に変えられる予定だという。この計画は最初オバマ政権時に立ち上げられたものの,トランプ政権で凍結されていたものがバイデン政権になってから再開された。

ハリエット・タブマン - ハリエット・タブマンの概要 - Weblio辞書

まっしろ

まだ読んでないビジネス書が何冊もたまっているが結局読まないまま週末が終わってしまう。日本は大型連休か・・・うらやましい。

なんか最近とみに思うんだけど社会って数十年経ってもそんなに変わらないのかなと。もちろんデジタル関係は大きく飛躍したけど,逆にこれからはもうそんなに変化しなさそうな気がする。私が子供のころは人類が今にも火星に移住して21世紀は宇宙の時代かもなんていうテレビ番組を見てどきどきしていたけど,あれから四半世紀が過ぎていまだに人類は火星に行っていない。2次元ディスプレイは廃れてホログラムが主流になりました!ってなるかというと,ならないだろうし,バックトゥザフューチャーみたいに空飛ぶ車が行き交う時代が来るかというと来なさそうな気がする。スマホが今より小さくなるメリットもないし,充電池の寿命が延びるといった地味な改善に留まりそうな気がする。2000年頃を思い出して今と比較しても社会のありようはそんなに変わった気がしない。これからもあまり変わらなさそうな気がする。同一労働同一賃金とか言ってるけど,たぶんこれからも日本では派遣労働者が存在し続けるだろうし正社員との給与格差も存在し続けるだろう(正社員の待遇悪化による格差縮小はあるかもしれないが)。がんの生存率は着実に伸びてきているらしいが,でも私が生きている間にがんが「治る病気」扱いになることはないだろう。ドラえもんのように人の心を理解するAIが誕生することもないだろう。太陽系の衛星(エウロパやタイタン)に地球外生命がいるかも,という説もあるが私が生きている間に結論が出ることはなさそうだ。ダークマターやダークエナジーの起源も重要な物理学上の問題だが,これも解決されるとしても半世紀かそれ以上かかりそうな気がする。核融合によるエネルギー問題の解決も,私が生きている間にはまず無理と思われる。

 

夏目漱石が亡くなったのは今から百年以上前だし,芥川龍之介もほぼ同時代の人だ。彼らが書いたものを読んでもそんなに今の自分たちの社会と違うという感じはしない。コナン・ドイルがホームズものを書いたのは今から130年も昔のことだが,ホームズは今読んでも違和感がないし,ドラマ化されたものを見ても同じだ。マックス・ウェーバーが百年以上前に書いた『職業としての学問』を私は学生時代に読んだが,いまだに通用する本だと思う。結局,人間の在り方というのは今も昔も変わらない。人類が月に降り立ったり,ヒトゲノムが解読されたりしたからといって一夜にして人類が一段上の生き物に進化するわけではない。すべての遺伝法則と物理法則がほぼ完全に解明され,人類は新しい生命さえ作り出せるようになったが,「人はなぜ生きるのか」「人生の価値とは何か」「善と悪とは何か」といった疑問に対して誰も満足に答えられないし,地球のどこかで常に戦争は続く。今から50年も経てば軍需産業は大きく進歩していることだろうが,それでも武器が変わるだけで人間はやっぱり戦争しているだろう。

 

人生とは何か,歳をとると徐々に見えてくる部分もある。では年配の人間の方が人生経験の分だけ賢明なのだろうか?だとすると,今の日本は年寄りの投票率が高く国会議員は今にも入院しそうな高齢者だらけであるし,上場企業の経営者や役員らもみんな高齢者なので,もう日本のかじとりは万全,将来安泰ということになりそうだが,現実を見るとそうでもないのが不思議である。こういう「みこしに空っぽの年寄りをのせて皆で担ぎ上げ,現場では若い人が安い給料で使いつぶされる」という仕組みはもはや日本の文化・伝統の域に達しているので,きっとあと数十年経っても存続するだろう。才能のある人を妬む人が多すぎて優秀な学生が飛び級をすることすら社会が許さないような日本からは,あと何十年経っても国を引っ張る有能な若いリーダーは出てこないだろう。

 

日本は風通しが悪すぎる。自動車業界で言えばトヨタ,ホンダ,マツダ,日産,スバル,三菱といった「いつもの面々」が何十年もどつきあいをしているし,電機業界でもNTT,NECSONY三菱電機東芝,日立,富士通パナソニック,キャノンといった「いつもの面々」が何十年もお互いをけん制しあっている。日本のような小さな国でこんなに同じ業界の大企業がたくさんあっても仕方がない。韓国のサムスンのように海外で戦える会社を作るにはまず国内で合従連衡が進まないといけない。NEC富士通,日立,三菱電機三菱重工あたり全部合併でもすれば海外の大企業と正面切って戦えるようになるだろうが,そんなのは天地が逆になっても絶対に起こりえない。日本はこれからもずっと,ガラパゴス的に大企業どうしが消耗戦を繰り広げて世界からは置いて行かれるのだろうと,ほぼ確信を持って言える。アメリカのように新しい会社がぐんぐん成長して大きくなるということがなさすぎて,毎度毎度同じ面々ばかり,それが経団連などの業界団体を作って癒着して政治献金などするのだから,当然政治も停滞する。顔ぶれがまったく変わらない社会というのは息苦しいことこの上ない。学会もそう。東大の教授とその取り巻きが各分野を牛耳っていて,学会発表の場ではいつも同じメンツで議論をやっている。また〇〇先生と△△先生が論争してるな・・・みたいな。で,それらの「大御所」先生たちの弟子たちがさくさくと次のポジションをゲットしていく。テレビもそう。AIの話題になると東大の松尾氏と落合陽一氏ばっかり出てくるし,生物の話題になるとさかなクン福岡伸一ばっかり出てくるし,政治の話になると橋下徹や三浦瑠麗といった意味不明な人たちがしょっちゅう出てくる。んで本屋に行くとホリエモンひろゆきの本が山積み。

この状況,いつまで続くの?顔ぶれの変化がなさすぎ。日本人は一億人以上もいるのに人の入れ替わりがなさすぎると思う。東京から地方へ,の流れがコロナ禍で生じているとかいう話もあるけど私は一過性のものだと思う。これからも東京一極集中は続くでしょ。地方都市なんて病院と老人ホームとパチンコ屋しかないよ。東大の対抗馬として京大や阪大が頑張れば関西企業ももっと元気になるかもしれんが,現状では,私の知る限りでだが,京大の先生というのはどうももうひとつパッとしない。研究のレベルでも産学連携のレベルでも。京大の霊長類研究所なんて,経費不正で解体されちゃったからな。けいはんな学研都市とかいうのがあるけど,画期的な成果が出たという話は全然耳に入って来ない。

 

何かもう世の中に対して好奇心というものがなくなってしまった。今までさんざん見せられたものをこれから何十年もまた見せられることに何の意味がある?どうせ日本は誰にも変えられない。世間に関わっていこうというモチベーションがゼロ。

 

で,「ソフィーのアトリエ」をPS4でプレイしていたんだけど,面白いんだなこれが。特に登場人物の服装がおしゃれすぎる。それを見ているだけでも楽しい。。

・・・で,いろいろ頑張って,もう60%くらいは進んだと思うんだけど,そろそろ飽きてきた。困った。いい素材を集めて,モンスターを狩ってお金を貯めて,武器屋でいい武器を作ってもらって,それを装備して,うーん,で?っていう。物語を前に進めたくさせる要素がちょっと弱いね。主人公がどこを目指してるのかよくわからない。

 

それにしても最近のゲームはどれもあまりにも長すぎる。昔ゲームボーイで遊んでたころは2時間で全クリも可能だったのに,今のゲームはクリアに40時間とか60時間とか意味わからん。もっと手軽に達成感が欲しいんですけど・・・。

アンガーマネジメント

たまった未読論文を読んだり日本から持ってきた参考書籍を読んだりしていたが,4月のこの時期になってもまだ私が具体的に今年度何をやるべきなのかはっきりしない(誰からも指示が来ない)ため困惑。上司に相談しても「よりよい地球の未来のために何ができるか考えてくれ」(意訳)みたいな非常にふわ~っとした指示しか来ず,呆然。

あまりにまったりしているのもなぁ・・・ということで,少々手を動かし始めることにしたが,本当にこれをやってていいのか微妙な部分もあり,関係者らに「私は〇〇をとりあえずやってますので,仕事が決まったら教えてください」みたいな告知をしておいた。これ以上私に何ができるというのか。。

弊社の場合,日本はマイクロマネージメント,アメリカは放置主義でどっちもダメダメだ。まだ日本の方が営利目的の企業のあり方としては理解できるのだが・・。

最近はときどき妙に気が滅入る夢をみる。自分が難病になって余命宣告され,家族と嘆き悲しむ夢とか,銃で頭を何度も撃たれる夢とか,とにかく嫌な夢。それをメンタルクリニックの先生に話したら「それは気持ち悪い夢ですねえ・・」と。私は実はかなり病んでいるのかもしれない。薬も飲んでるし。普段,私は自分がどういう状態なのかをわりとよく理解できてるつもりなのだが,今はあまり自分のメンタル状態が正確にわからない。不安,とか怒り,とかそういうのともちょっと違う。強いて言えば「茫然自失」という感じか。何をしてものれんに腕押しで五里霧中という感じ。とくにイラついてはいないのだが,何か不愉快な出来事があると瞬間湯沸かし器のようにカチンときて一瞬でキレそうになるので,アンガーマネジメントを意識して自分をコントロールするのにとても苦労している。あまり過去にこういう状態になったことは無かった。

 

某国際学会に投稿していたいくつかの論文のうち半数はアクセプトされ半数はリジェクトされた。うーん。。一応アクセプトされた研究についてはもっと達成感が感じられるかと思ったが,案外そうでもない。「へー勝率50%ですか~」という感じ。勝率が高ければボーナスが増えるかというとそうでもないしな。

 

ベイエリアはもうマスクをせずに歩いている人の方が多くなってきた。日本はどうしていつまでもずるずる感染者が減らないのだろう。

おんがく

分子をメロディに変換するAIの論文。逆にメロディを入力すると分子が生成されるとのこと。一部で話題になってるらしい。ずいぶんぶっとんだ研究というか,夢があるというか,何というか。

Molecular Sonification for Molecule to Music Information Transfer | Organic Chemistry | ChemRxiv | Cambridge Open Engage

 

ところで,今度海外旅行を計画しているが,そのフライトが(コロナの影響?で)運休になり別便に振り替えてもらうという手続きを二度もやるはめになって疲れた。それにしても航空会社の問い合わせ窓口(電話)は待ち時間があまりにも長すぎる!もっとオペレータを増やさんかい!一時間待ちってなんやねん。直接利益を生むことがないがカスタマー満足度に直結する,こういう部門にきちんとお金をかけるか否かで会社がどのくらい誠実かははっきりわかるな。。

それと気になったのは,オペレータの仕事ぶりをどう評価してるのか?ということ。すごく丁寧に対応してくれるオペレータもいればそうでないオペレータもいるわけだが,別に問合せ終了後にこちらが何かフィードバック(10点満点で何点か,みたいなやつ)をするわけでもないし。個人的には,そのへんに関してオペレータの評価と収入を連動させるのが合理的ではないかと思うので,問合せの最後に自動音声で評価を入力させる仕組みにした方がいいのではないか?と思った。

ドルドルドル

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最近すごく円安になってきているようだ。上のチャート(円/ドル)はYahoo!ファイナンスから。3/8以降に10%も安くなってる。これはいいタイミングかもと思ったので,アメリカの口座に入っているドルの預金のかなりの部分を日本の口座に送金した。一気に送ろうとしたら一日の国際送金の上限にひっかかってしまったので二日に分けて送った。ちょっとは得したかな。

このまま待ってたらどこまで円安が進むんだろうか・・・。

 

ときどきオフィスに行ってはいるが仕事にいまいち気合が入らない。もうすっかり家とカフェで仕事するスタイルになってしまったので,カフェに行くと「よし,仕事だ。」という気分になるのだが,オフィスに行っても刺激がない。うーん。。。

 

これがこのブログのちょうど100本目の投稿なのであった。