Quadrifolium's blog

元海外赴任サラリーマンの独り言です。

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研究で詰まっている時におススメな本 - Seitaro Shinagawaの雑記帳 (hatenablog.com)

に「確かに。」と深く納得する話がいろいろ書いてあったので,一部だけ引用させていただく。

研究の進め方は大きく二つ、「トップダウン型(リサーチクエスチョン型)」の研究と「ボトムアップ」の研究があるといわれています。トップダウン型の研究というのは、明らかにしたい仮説があり、何をすればそれが明らかになるのかを逆算して進めていく研究です。対してボトムアップ型の研究は、先行研究をベースとしてその課題を見出し、解決するような研究や、既存のものを組合わせて何かやろうとする研究(問題よりも解決方法が先に決まっている研究)を指すものだと、私は解釈しています。一般に、研究ではトップダウン型の研究が好まれ、研究指導でも「トップダウン的に考えよう」という指導が入ることが多いと思います(「トップダウン至高教」と私は呼んでいます)。 

 これは確かにそう。トップダウン型の研究こそ良い研究の流儀,というかそれ以外は研究じゃない,みたいな風潮に私はずーーっと悩まされてきた。

たとえば「アルツハイマー病の原因は何か」「その治療薬は」みたいな問題設定から入るのがトップダウン型。「脳細胞の中にある謎のたんぱく質XXXは一体どういう役割を果たしているのか」,「ある病気に有効な薬剤Xは他の病気にも効くだろうか」みたいに具体的なゴールを設定せず探索するのがボトムアップ型,と言っても間違いではないと思う。

私は骨の髄までアンチ・トップダウンである。今までの研究の9割以上はボトムアップ型でやってきた。ただ,それだと論文や特許にしづらいので,研究が完成してから全体の構成を組み替えて,あたかも1つのゴールを設定してそれに到達するために研究していたかのように装う。たとえば薬剤Xが別の病気Wに効くとわかったら,「最初からWの治療薬を探してました。そしてついに見つけました」みたいなノリで論文を書く。

でもこれが疲れるんだよな。トップダウンは好きじゃないから。

今いる会社でも上から「〇〇という問題設定のもとでスゴイ技術を作れ」みたいにいつも研究の方向性を決められるからイライラする。既存の技術を組み合わせて役に立つ新しいものを作るだけでも十分有意義だと思うんだが,一部の人たちはあくまで「最初に問題設定を!まずは問題設定を!」と言って譲らないので,うざいったらありゃしない。お前のやり方だけが研究のやり方じゃねえよ。

〇〇という課題を今年度は解決します,みたいに大げさな問題設定をして,結局つぶれて何も成果が出なかった,という場面を社内で何度も何度も見てきた。「そんな深すぎる問題設定じゃ手も足も出ないでしょ」と思っていたら案の定である。そういう大胆な研究の進め方は,自分が超優秀であると認識している人,もしくは十分な予算と時間があって失敗が許容できる人,しかやってはいけないと思う。私はいつも使えそうな技術を組み合わせて最後にひとひねりすることで,少なくとも何らかの目的に有用な技術を作ってきた。会社というのは成果が全ての場なのだから,掛け声だけで倒れるよりも具体的な成果を出すのが第一のはずだ。なのに私のような考え方が会社のお偉いさんに認識されないのはなぜなのか。

彼らの思考が硬直しすぎている気がする。彼らは「難しい問題設定をして,見事にそれを成し遂げたので出世したスーパーマン」たちが多く,それ以外の研究の仕方を知らないので,ボトムアップ型を許容できないのであろう。残念だ。