Quadrifolium's blog

元海外赴任サラリーマンの独り言です。

ふぐ

ここ2週間というもの,ひたすらある一つのテーマについて集中的に勉強と研究をしているが,なかなかうまくいかない。これは!と思うアイデアは浮かんでも検索しまくるとほぼ同じアイデアが数年前の論文に出ていたのが見つかったり,これこそ有効な手法だと思っても数値実験を何度か繰り返していくうちにうまくいかないケースが判明してしまったり。がっかり。自分の生産性の低さに忸怩たる思い。別に会社に対して忠誠を誓ったわけではないが,給料をもらっているのに成果が出せないのはさすがに申し訳なくて悲しくなってくる。。。。。

ふぐの安全な食べ方が確立されるまでには数えきれないほどの犠牲者の貢献があった。江戸時代には人体実験も行われたようだ。こういう尊い犠牲の上に我々の文明の進歩はあったのだから,今の私の地獄もきっと人類史的には意味があるのだろう(適当)。

ようやく1つ新しい技術を考えてはみたが,これまであった複数の技術をいくつかいいとこどりして組み合わせただけで独創性が全然ない。これではまだ弱いな・・・・。あと1つひねりがあればいいのだが。

しかし論文にある技術・手法というのは,「いろいろな長所があることが理論的に証明でき,なおかつ実験でも良好な性能が確認されている」と美辞麗句が書いてあっても実際に具体的ケースで試していくとボロが出ることが非常に多い。だから私はAI分野の「理論」というのは全く信用していない。この分野の人たちは自分らの分野をコンピュータ・サイエンスとかデータ・サイエンスと呼ぶのが好きなようだが,中身を見るとサイエンスの要素は少なく,どこまでもエンジニアリングである。

政治学をポリティカル・サイエンスと呼ぶことからもわかるように,言葉の響きによって何やら客観的な真理を探究している雰囲気を醸し出そうとしているが,問題だと思う。なんでもサイエンス呼ばわりするな。