Quadrifolium's blog

元海外赴任サラリーマンの独り言です。

ろんぶん

ここ1,2週間ずっと専念していた論文執筆がようやく終わった。疲れた。なんでこんなに書くのがしんどいんだろう,とずっと書きながら思っていて,原因を整理してみた。

  1. PowerPointの手軽さになれすぎている。パワポでは図を貼り付けるのは簡単だし,図にちょこっと文章を添える程度で資料が仕上がる。でもLaTeXで論文を書いているときは,図を貼りこむのは一苦労だし,図の説明を1つ1つきっちりと書くのも結構大変。パワポ文化に毒されてしまっている・・・。
  2. 実験結果の説明が難しい。私はもともと理論系の人間なので,数式をベースにした議論を書くのはとくに苦痛ではないたちなのだが,今回は実験ベースの論文だったのでたくさん実験データを貼り付けて自分の手法の有用性を主張する必要があって,苦労した。すべての実験データが私の手法の優位性を示していれば文章を書くのも楽なのだが,一部のデータであまりパッとしない結果が出ているときはそこをフォローしながら議論を書く必要があるので,とてもしんどいことになってしまう。かといってパッとしないデータを削除するのはいろいろな理由で難しいという悩ましさ。
  3. 過去のトラウマとの闘い。自分が「こんな面白い結果が出た!これはいい論文になるぞ」と思って意気揚々と書いた論文が学会や雑誌にリジェクトされた経験が,論文執筆中にバシバシよみがえってくる。「どうせ今回も,一生懸命書いたってまたリジェクトされるんじゃないか・・」と弱気になってくると,筆も進まなくなる。苦しいところだ。。
  4. 数学的思考をつきつめて考え事をしているときは,どうも日本語脳をフルに使っているらしい。なので一日中そういう論理的に難しいことを考えている日はなかなか英語が出てこないし,しゃべるのも書くのも遅くなる。面白いことに,数式をにらんで考えているときや図形を見ながら考えているときなど,必ずしも日本語自体を使った思考をしていないときでも,脳の日本語の部分をフル活用しているように感じる。そのため「数学的なことを考えながら英語を書く」というのはとても難しい作業になる。バックミラーを見ながら前へ進んでいくような変な感じになってしまう。