Quadrifolium's blog

元海外赴任サラリーマンの独り言です。

市から郵便物が来たが,その処理に関して不明点があったので市のコールセンタに電話した。そしたら英語が速すぎて半分以上聞き取れなかったんだが,こちらが「もっとゆっくり話してください」とお願いしても絶対ゆっくりしゃべらないんだよな。ずっと同じペースでしゃべり続ける。これは移民に対する嫌味なのか?いやがらせなのか?

 

こういう感じで,海外に住んでいると心にグサッとくることはしょっちゅうある。そういうのを乗り越えて日本に帰任し一つ上のポジションをゲットした社内の先輩諸氏を見ていると,みんなそろって共感能力が低いという共通点がある。つまり人の心情を察する力が弱くて,「相手が困っていようがよそ見していようがお構いなしにしゃべりまくるタイプ」と「何を考えているのかわからない,だんまり寡黙タイプ」にきれいに分かれる。

 

ある人A(長い海外赴任の経験者)が別の人Bに仕事を依頼している様子を見ていたことがあるが,Bはとにかく嫌がっていて,仕事を振られても困るんだということを色んなやや婉曲な表現でAに丁重に伝えてきていた。で,その長い会話が済んでBが去った後,私が「これは引き受けてもらうのは絶望的だな,あんなに嫌がってたし・・」と思っていたら,Aが「よかったよかった,これは大丈夫そうだな。もう安心だ!」と上機嫌で言っていて,私はびっくりした。後日,Bは(やっぱり)その仕事は無理ですと申し入れてきた。私には当然に思えたが,Aはびっくりしていた。

 

また別の機会に,ある人C(長い海外赴任経験者)が別の人Dのことを「あの人この会社のこと本当いやになってきてるよ,あの調子だともう辞めるよ,云々」と言っていたのだけど,私から見るとDはもう定年までこの会社で過ごすことを決意しているように見えたので意外だった。で,それから数年経つが,Dは辞める気配はない。この件に限らず,Cは自分の意見は押し通すのだが人の意見に気配りをしない人間で,とにかく共感下手である。

 

こういう鈍感な人たちが過酷な海外赴任や炎上プロジェクトをものともせず生き抜いてどんどん出世していく一方で,繊細な人たちはなかなか出世しない。私の知っている先輩で,とても懐が深くて自分とは違う意見も傾聴する,すごく人間ができている人がいるのだが,その人は年齢の割に出世が遅れている。

 

ある会社で副社長まで上り詰めた某氏は,もともと地方の工場の出身で,その工場長まで務めた。なので工場で働いている人のほとんどはパートも正社員も知り合いだった。で,本社に栄転し,やがて会社全体のコスト削減のリストラ計画を立案する立場になって,リストラの一環としてその工場を閉鎖したという。自分の知り合いたちがたくさん働いている工場を情け容赦なく切ったのだ。

 

大きな会社組織というのは人間性を犠牲にしなければ権力が得られない仕組みになっているらしい。本当に気持ち悪い。