Quadrifolium's blog

元海外赴任サラリーマンの独り言です。

大企業病

多人数が参加する大きめのプロジェクトが4月から始まった。複数のチームに分かれていて,それぞれの分担がざっくりと決められているのだが,チーム間で何をどこまでどのように分担するか,範囲が正確に決まっていないので,10人以上が参加するミーティングを毎週何度も繰り返して相談している。6月中に結論が出なさそう。ということは4,5,6月と3か月も内部調整だけに費やすことになる。あほかいな。日本企業の生産性が先進国で最低というのがよくわかる。。。

 

大企業は学歴が高くて”優秀”な人が多いと思われているが,実態はというと,とにかくマネージャーばかりが多くてリーダーが全然いない。大事なことなのでもう一度言うが,マネージャー(進捗管理と関係者間の調整をする人)ばかりが多くて,リーダー(方向性に関して自分の意見を持ち,決定を下して引っ張っていく人)が全然いない。絶望的や。

 

マネージャーとして出世して部長や本部長になった人というのは,自分の確固たる意見というのが全然ないので,やたら頻繁に社内調整の会議を開きたがる。とにかく会議が大好きである。そして「君たちこれからどう進めていくの?どうやればうまくいくわけ?ちゃんと考えてよ」と部下をつつくだけで自分は何も決断を下さない。で,部下が何か提案をすると「本当にそれでうまくいくの?みんな納得してるの?根回し済んでるの?ふーん,まあ君らがそこまで言うなら私もゴーサインを出すけど,頑張ってもらわないと困るからね?」みたいに責任をなすりつけてくる。「議論に十分時間をかけたから,もしこれでうまくいかなかったら全員の責任だからね?俺だけの責任じゃないからね?」という方向に持っていく手腕だけは卓越している。こういう,決断に対する自分の責任をぼかして関係者全員の連帯責任という形にもっていくのは,極めて日本的なカルチャーだなと思う。仮に失敗しても誰も責任をとらないし,失敗から学習しない。

 

で,ルールを守らせるのが大好きなんだよね。大企業は社内に膨大な数の面倒くさいルールがあって,とにかく違反しないようお互いに目を光らせる相互監視社会になっている。目覚ましい成果を出すことより,根回しがうまくてルールを破らない人の方が歓迎されてる印象。なんか大企業ってお役所勤めの公務員と変わらないのでは?としみじみ思う。新しいルールを作るのが好きだけど有事のような不測の事態には誰も対応できない,みたいな。

 

つまらん。