Quadrifolium's blog

元海外赴任サラリーマンの独り言です。

一人飲むビール

アメリカの某ジャーナルから論文の査読依頼が来ていて,2年ぶりくらいに査読をやった。わりとよく知っている分野の研究ではあったけど,論文を読みだして問題点を書き出してそれを英語のコメントにまとめるのに合計6時間か,もうちょっとかかった。とても疲れた。。。関連分野の論文をほとんど引用していなかったり,技術的に大事な部分の説明が不足していたりと突っ込みどころが満載で,リストアップしていくと14項目になり,それを文章にまとめるのが大変だった。あんまりけなすと可哀想なので,レポートの最初と最後で一応ほめておいた。

こんな作業やっても別に誰が私を褒めてくれるわけでもないのに何やってるんだろうな。まあ自分の研究を客観的に見る訓練にはなるのかもしれないが。しょうもない。

邦人向けサービス

海外在留邦人向けオンライン医療相談・精神カウンセリング提供事業のご案内|外務省 (mofa.go.jp)

2月1日から3月31日まで無料でオンライン診療が受けられるらしい。しかも全診療科対応というから心強い。

医者もオンライン診療の時代だなあ。もっと日本でも広がればいいのに。山間部の人とかは重宝するだろう。皮膚科とかは患部の画像だけ送れば十分診断できそうだし。でも電子書籍が紙の本より安くならないのと同じで,きっと対面診療と同じだけの診療報酬を請求されるんだろうなぁ・・。

パソコンを使う作業員のイラスト(白衣の男性)

 

うぐぐぐ

アメリカは性犯罪の多い国だ。

Rape Statistics by Country 2021 (worldpopulationreview.com)

の統計データによると人口10万人あたりの強姦件数ではアメリカは日本の27倍となっている。(そのほかイギリスやニュージーランド,ベルギー等もほぼ同じレベル。)若い女性そして子供が暮らすには怖い国だ。カリフォルニアの場合,

California Megans Law

というサイトに性犯罪者の情報がすべて掲載されており,地図上で検索してみることができる。上記のリンク先から "Search Offenders" をクリックし,適当に街の名前を入れてみると,いるわいるわ・・・

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このマップの青や赤のマークはすべて性犯罪者である。名前や罪状,人種,生年月日まで全部出るのはすごい。日本でもこういうシステムがあれば,どこに住むか決める際にかなり参考になるのに,と思う。それにしても,このマップのマークをランダムにクリックしていくと,ほとんどが幼児虐待や未成年者への性犯罪を犯した者たち。怖すぎる。たまにぽつぽついるのが児童ポルノ所持者。未成年者(18才未満)の性的な画像は,カリフォルニアでは所持しているだけで重罪(felony)になるらしい。

アメリカに赴任する予定のある方は,こういう情報も参考にしてみてもいいかもしれない(特に子供を連れてくる人は)。

さて,自分の話だが,今は研究の成果がまあまあいい感じで出てきている。で,「ちゃんと意味のある仕事をやってますよ!こういう価値がありますよ!」ということを上司や会社に説明するための資料作りをひたすらやっているが,本当にしんどい。

一般的な枠組みで問題設定と解決方法をぽんと書いても全く何も理解してもらえないので,いろいろな易しい具体例をいくつも入れて(教科書のように)説明していく。自分の研究に深く関連する先行文献の話もたくさんあり,要約しにくいのだが,それを全部はしょってしまうと「今回の成果は何がどう新しいの?」と聞かれたときに厄介なので,最低限,適度に要約して書いておかないといけない。「君が解決したいその課題って本当にそんなに難しいの??」と言われてしまったら非常に困るので,「他の人たちはこれまで何をやってどう失敗してきたか」「何が難しいか」みたいなこともそれなりに詳しく,ただしわかりやすく書いておかなければならない。

この作業をひたすら一週間近くもやっており,もうパワーポイントの資料は軽く50ページを超えた・・・・・・。もう疲れた。こんなくそみたいに退屈な作業はほっといて,研究そのものに戻りたいのだけど,時間がとれない!!!私は学校の先生でもないのに,なんでこんなに噛み砕いた説明教材を死ぬほど苦労して作らなあかんねん!!

論文だったらなぁ・・・,自分と同レベルの専門家向けにさくさく書いていけばいいだけだから楽なんだけど,社内報告は本当に苦痛すぎる。

それに,いつも研究内容を報告していて思うんだけど,話の先を待てない人が多いんだよな。じっくり,順番を追って論理的に説明しているのに,最終結論を先に聞きたがる。でも,先にまとめて報告したら情報量が多すぎてまったく何も頭に入っていかないんで,結局相手も私も困る。どうしろっちゅうねん。

甘いもの

体内時計がまだアメリカに完全適応していない感じがする。眠い。

スーパーに行くとお菓子コーナーがチョコレートで占領されていた。

バレンタインだろうけど気が早いな。

バレンタインにチョコレートを渡すというのは日本独自の文化だと何かで聞いた気もするけど,アメリカにも伝染?しているようだ。

 

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会社の若い人が仕事で苦戦していて。私もときどき「こういう方向にもっていけば面白いかもしれないよ」とか「こういう課題解決に使えそうだね」といったアドバイスはしてみるのだけど本人が「無理そうですね」「たぶん使えない気がするんですよ」みたいにすごくネガティブな感じになっているのでどうしようもない。執念がないというか。私の若い時は「何が何でもいい仕事をして爪あとを残してやる」という執念だけは人一倍あったのだけど,若くても冷めてる人は本当に冷めてるな。。

この若い人の面倒を主にみてる人も割とネガティブで,,新しい成果に対して「どこそこの大学の成果に似てる・・本当に"新しい"のでしょうか」とか「他社もそういう技術を開発してるしね」とか「本当にその実験結果は正しいですか?信頼性が十分とは言えないですね」とか「これこれこういう場合にはその技術ではうまくいかないのでは?」とか,とにかく視点が常にネガティブ,減点法なので,話していて面倒くさくなってくる。たまには「こうすればもっといい技術になりますよ」みたいなポジティブな意見を出してみろよ!と思う。

これは考え方の癖みたいなもので,持って生まれた部分もあるにせよ,かなり伝染性がある。ネガティブな人の指導を受けると部下もネガティブになっちゃう。それってどうなんだろう・・・。もやもやする。

 

再渡米

はあ・・・。また米国に戻ってきてしまった。

日本のこたつが恋しい。日本での私はだいたいこんな感じだった。

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これを楽園と呼ばずして何と呼ぶのか。

日本では何を食べてもおいしいし安いし。医療費も安い。店員の接客はどこに行っても丁寧だし。文句をつけるところがない。それに比べてアメリカは・・・まったく。

アメリカでは各家庭にかかりつけ医というのがいて,そこに何でも相談するのが普通らしいが,そういうのはあんまり好きじゃない。医者によって専門分野というのは違うはずで,呼吸器の医者に消化器の相談をしてもきちんとした診断を下せるのか,はっきり言って疑問である。日本だと「湿疹が出たから皮膚科に行こう」とか「目ヤニが出たから眼科に行こう」という風に,専門家に最初から相談することができるのがとてもよい。安心感がある。

今回の帰国では,眼科,歯科,皮膚科,内科にかかることができてよかった。

 

帰国中に会社の人と久々に会ったのだが,そのときアメリカの子会社でのストレスを山ほどぶちまけてしまった。日本とは仕事の仕方がだいぶ違っており,私も最初は「これがアメリカ流でありシリコンバレー流なのかぁ~~早く慣れなきゃな」と思って必死に自分を合わせようとしていたのだが,徐々に違和感を強く感じるようになり,今ではこう断言できる:「これはアメリカ流でも何でもない。私の周りに今いる人たちがただ単に無能なだけだ」

日本の大企業というのは,各社に差もあるだろうが,とにかく真面目な人が多い。担当者にメールで問い合わせを送れば遅くても2日以内にはきちんとした返信が来るし,締め切りを守らねばならないという意識が強い。しかし私の今いる部署の人たちはとにかくリスポンスが遅い。大事なメールでも2週間返事が来ないなんてザラにあるし,「体調が悪くなった」と言って仕事の代理担当も決めずにいきなり長い休みに入ってしまう。日本側が「これは本社のルールだから,こうやらないといけないの!」とお説教しても「そこを何とかフレキシブルに対応してもらえないか」とか言ってルールに勝手に例外を作ろうとするし。呆れてため息しか出ない。日本から若手社員をアメリカに派遣して修行させるのではなく,アメリカから日本に現地採用の社員を派遣して修行させる方がよっぽど生産性の向上に寄与すると思う。(ただし,そこまで投資しても現地採用の社員は数年で辞めることが多いので,もとが取れないという面ではなかなか難しいところだ。)

もちろんシリコンバレーには優秀なアメリカ人がたくさん働いているのだけど,そういう人たちは年収二千万とか普通に要求してくるので,日本の会社が雇うのはなかなかきついようである。

それに,私の個人的な感覚として,アメリカ人は他の国を下に見ているし,さらに白人は有色人種を下に見ているので,彼らは日本企業で働きたくなんてないというのが本音だと思う。

太り中

隔離期間が無事終わったので,実家に戻ってうまいものを食べて寝て起きて食べて寝て起きて(以下繰り返し)の生活をしていると太ってきた。アメリカで痩せた分を取り戻すほどではないが,人ってこんなにすぐやせたり太ったりするんだなと思うと感慨深い。

日本は実に素晴らしい。ショッピングセンターなど多くの施設のトイレにウォシュレットがついているのが有難い。飲食店で水やお茶が無料でまず出てくるのもうれしいしチップを払わなくていいのも有難い。100円ショップに行けばものすごく色々なものが安く買えるし。あと,パンがおいしい。アメリカのスーパーで買えるパンは好きにはなれない。

アメリカは感染爆発してしまっており,スーパーに買い物に行ったりスタバで珈琲を飲んだりするだけで感染するのでは?という恐怖を感じる。ブースター接種の案内がメールで来ていたので,再渡米後なるべく早くに受けようとは思うが,またあのきつい副反応が来るの?と思うと憂鬱になる。年度末が近づいており,仕事が結構タイトな感じになってきているので,寝込むのはちょっとまずい。

もともとコロナウイルスというのは風邪の原因であり,ありふれた存在だ。それが2019年,急に新型に変異して人類に感染するようになり,味覚と嗅覚が消えるとか肺の奥深くに入り込むといった重篤な症状が出るようになったわけだ。その後,いろいろな変異が何十も積み重なり続けてデルタ株だのオミクロン株だのといった新しい変異株が出てきているわけだが,症状としては軽症になり,鼻やのどが炎症を起こすといったまさに普通の風邪のようになってきている。「新型」から出発してさらに変異しまくっているのに結果的にどんどん「普通の」コロナウイルスに戻ってきているように見えるのが興味深い。しかしこの変異というのはいわば進化の過程をリアルタイムで見ているようなものだ。ダーウィンの進化論を否定する系の人たちはこの状況でもなお進化を否定するのであろうか。

ネットの某コミュニティで公開している私のプロフィールを見た某企業の人事部から転職のお誘いのメールが来た。広い意味ではAIとかデータ分析に含まれる業務内容ではあるが,私自身の専門分野とは全然畑違いであったので,丁重にお断りした。そもそもその人事部の人の経歴を調べると全然AIに関係がないので,この分野のことを技術的には何もわかっていない状態でリクルート活動をしているものと推察される。あまり生産的ではないような気がする。

12月にこのブログにアクセスした人たちの市区町村を確認したところ,アクセスの多い方から順に以下の通りだった。

  • San Jose
  • Sunnyvale
  • Mountain View
  • San Mateo
  • Bunkyo City
  • Cupertino
  • Santa Clara
  • Kawaguchi

ちなみにこれ以上細かい地理情報はわからない。

私のご近所さんが結構見てくれているのは不思議な気持ちだ。このブログをどうやって発見したんだろう・・。検索してもあんまり引っかからないと思うんだけど。

2022

隔離療養施設で新年を迎えてしまった・・・。

2021年で一番大きな出来事と言えばやはり東京オリンピックだろうか。といっても私はアメリカであまりテレビを見ていなかったのでほとんど競技を見てないのだが。東京五輪の開会式は当初の野村萬斎椎名林檎MIKIKOのチームが電通に無理やり排除されて電通の息のかかったよくわからない人が突然責任者になり,しかもすぐに失言によって辞任し,その後は開会式の作曲担当の小山田が障がい者いじめの件で辞任するという極めて情けない限りの経緯であった。また電通は五輪招致不正疑惑(IOC委員の息子が経営するコンサルティング会社の秘密口座に,東京五輪招致委員会から多額の資金が流れたとされる買収疑惑)にも深く関与したと言われているが結局うやむやになってしまった。そもそも東京オリンピックのエンブレムからして盗作騒動があった。渦中のデザイナー佐野研二郎氏に関しては他の作品でも多数の盗作疑惑が噴出した。例えば

デザイン盗用疑惑のサントリートートバッグ 佐野研二郎氏の申し出により取り下げ・発送中止に(2015年8月13日)|BIGLOBEニュース

など。こういう人が今も多摩美術大学の教授をやっているというのが何とも言えない。また,五輪運営スタッフを手配した人材派遣大手のパソナは人件費として日給30万円を国に請求しつつ実際に働く派遣労働者には1万円程度しか払っておらず,その中抜き率は驚異の95%とされている。そしてパソナ電通の深い関係はよく知られている通りである。

「東京五輪の日当は35万円」 国会で暴露された東急エージェンシー、パソナへの“厚遇”(1/4)〈dot.〉 | AERA dot. (アエラドット) (asahi.com)

とにもかくにも疑惑だらけで,東京五輪というのはいかに既得権層が一般国民の見えないところでおいしい仕事を回しあっているかを明らかにしたと言えよう。どうして中抜き95%が違法でないのか全く理解できない。テレビのワイドショーなんかは電通パソナを決して叩かない。もうこの国は終わりではないか。

 

つい最近,イギリスの製薬会社が厚生労働省に経口中絶薬の承認を申請したという報道があった。これは画期的な薬で,従来行われている金属器具によって子宮からかき出す中絶法と比べて母体への負担が少なく,安全性と効果はWHOのお墨付きである。この薬は世界中でおよそ700円程度で購入できるそうだが,なんと日本産婦人科医会は,「10万円程度の料金設定にすべき」と国に要望している。700円と10万円である。開いた口が塞がらない。

結局お金?海外で740円の「経口中絶薬」に処方費用10万円を望む日本産婦人科医会。過去には緊急避妊薬の普及に反対する“アンケート工作”も露見 | マネーボイス (mag2.com)

「飲む中絶薬」で浮き彫りになった「中絶後進国・日本」の大きな問題(塚原 久美) | FRaU (ismedia.jp)

中絶は保険がきかないので産婦人科病院にとっては「金のなる木」だそうだ。日本中で中絶手術が減ると病院側にとっては大変なことなのだろう。https://gendai.ismedia.jp/articles/-/90898によると

日本の中絶手術の料金は妊娠初期でも10万円程度かかります。イギリスやフランスなどの先進国では健康保険がきいて無料のところも多く、日本同様に保険のきかない唯一のOECD諸国であるオーストリアは4万円弱〜であるのに比べてかなり割高です。

という話だから暴利を貪っていると言ってもあながち間違いではない。今回の経口中絶薬10万円という突拍子もない料金設定案について,東京大学産婦人科大須賀穣教授は「病院経営の観点から」支持しているとのことだ(2021年4月21日付の毎日新聞の記事より)。既得権益を守るためにはなりふりを構わない様子が見てとれる。

日本はこういう腐った連中が跋扈する情けない国になってしまった。アメリカに比べて日本ではイノベーションが起きないとか,そういう高度なレベルではなく,もっと低次元なところで職業倫理が破綻している。

 

悲しい。